居世神社

三国名勝図会巻之四十四の記述によれば居世大明神社は牛根麓海辺の小山にうっそうと茂った森の山腹で海辺に臨む。

祭神は欽明天皇の皇子である。文明七年二月(1475)邑主池袋民部少輔が建立し邑の宗社であった。

社伝によると、上古十二月二十九日の夜居世神門の農夫が塩を汲もうと海の渚に行ったところ幼児の鳴き声がした。不思議に思って火を照らして見に行ったところが、渚に空船が漂流し中に七歳の童子が乗っていた。

これが欽明天皇第一皇子であった。皇子は雪の降る庭に出て地を踏んでいたので帝位を継ぐことはできないと、空船に載せられて流された。

皇子を見つけた農夫は皇子を大事に育てたが、十三歳で薨(こう)ぜられた。皇子の御潜居の地は神社の東三百五十米(三町)位の地の農夫の住であった。この地は居世という地名である。

居世神社と天皇家との関わりを示すとされる菊の御紋です。

上の写真は社手前の柱の上に飾られたもの、下は社内部の梁に飾られたもので、手彫りの御紋は金色に光っています。
おそらく金箔で覆われているものと思われます。
社の扉の中は下の写真のように飾られていました。